手作りで、しっかりとした名刺を作る -メンツケ編-

印刷物出力の基本 トンボとメンツケとは

この記事は「手作りで、しっかりとした名刺を作る -準備編-」のつづきです。

デザインした名刺を印刷する際に、印刷後にカットをしやすいようにするには、「メンツケ」作業が必要です。

これには 「トリムマーク」というものを使います。
印刷所が印刷する際に使用するカット用の技術です。
通称「トンボ」ですね。

今回は複数枚同時に印刷しますので、そのトンボをさらに加工して「メンツケ」作業を行う必要があります。
面倒な気配がプンプンしますが・・・
名刺をプリントするにあたり、とても大事な工程です。
様々なものに応用がききますのでチャレンジしてみてください。

と、ここでデザインによってメンツケ作業の内容が変わってくるのです。

名刺のデザインがフチは真っ白、もしくは全面単色でベタ塗りのものの場合は〈1〉の工程を。

名刺のデザインがフチぎりぎりまで絵が入っているもの〈2〉の工程をご覧ください。


〈1〉フチにデザインがかかっていない、または全面単色ベタ塗りの場合

デザインのフチ全体が単色の場合は「1刀断ち」と呼ばれるメンツケトンボをつくります。

《作業工程その1》
まず、デザインした名刺を並べていきます。
横並びに2つ、縦に4つの計8枚を並べます。

《作業工程その2》
名刺の枠をガイドラインに変更します
ベタ塗り背景の場合は背景を全部選択し、コピー and 「前面にペースト」した上でガイドラインに変更します
(右クリック → 「ガイドを作成」 or command(or ctrl)+「5」でガイドライン作成)

《作業工程その3》
一番外側のガイドラインに沿って枠を作ります。
重要なポイントですが、この枠は「線はナシ」にしてください。

線幅の外側が基準点となってしまい、トンボのズレの原因となってしまいます。

《作業工程その4》
メニューの「オブジェクト」「トリムマークを作成」を選択します。
ベースのトンボができましたね。

《作業工程その5》
ここから、カットするラインを追加していきます。
今回はトンボのセンターラインを利用します。

まず、白矢印ツールでこの2つのラインを選択します。

次に移動ツール(矢印ツールを選択したままエンターキー or shift+ctrl+「m」)を呼び出し、名刺の縦サイズ、今回は55mmを『垂直方向』の欄に入力して、コピーをクリックします。

上側にもラインが必要なので、続けて今度は「-55*2」を『垂直方向』入力し、コピーをクリックします。
※55mm×2、的な数式も入力可能なんです。また「-」をつけることで反転した方向を指定できます

これで完成です。

ガイドラインを非表示にした場合(プリント時のイメージは)、こんな感じになります。


〈2〉名刺のデザインがフチぎりぎりまで絵が入っているものの場合

デザインのフチに1部でも絵柄がかかっている場合は「2刀断ち」と呼ばれるメンツケトンボをつくります。
1刀断ちと比べると作業が若干面倒になりますが、仕上がりが綺麗なので必須のテクニックです。

《作業工程その1》
まず、デザインした名刺を並べます。
横並びに2つ、縦に4つの計8枚をメンツケします。ここでデザインデータを並べる際に、間にすべて3mmの空白をつくります
移動ツール(矢印ツールを選択したままエンターキー or ショートカットのshift+ctrl+「m」)を呼び出してコピーしていきます。

まずは、94mm『水平方向』の欄に入力し、コピーをクリックします。
※名刺の長辺サイズの91mm+塗り足し幅の3mm

次に、先ほどコピーしたものと両方のデータを選択し、『垂直方向』に58mm入力しコピーをクリックします。
※名刺の短辺サイズの55mm+塗り足し幅の3mm

つづけて、選択はそのままで「変形の繰り返し」を2回行います。
(変形の繰り返しのショートカットは command(or ctrl)+「D」です)

《作業工程その2》
名刺データの枠をすべてガイドラインに変更します
ベタ塗り背景の場合は背景を全部選択し、コピー and 「前面にペースト」した上でガイドラインに変更します
(右クリック → 「ガイドを作成」 or command(or ctrl)+「5」でガイドライン作成)

《作業工程その3》
一番外側のガイドラインに沿って枠を作ります。
重要なポイントですが、この枠は「線はナシ」にしてください。

線幅の外側が基準点となってしまい、トンボのズレの原因となってしまいます。

《作業工程その4》
メニューの「オブジェクト」「トリムマークを作成」を選択します。
ベースのトンボができましたね。

《作業工程その5》
ここから、カットするラインを追加していきます。
まずは横のカットラインを作成します。
今回はトンボの上のラインの一部を利用します。

ちょっと選択の仕方にコツがいります、白の矢印でラインをクリックして選択します。 選択部分は画像を参考にしてください。

選択ができたら、移動ツールを呼び出し名刺の縦の長さ、今回は55mmを『垂直方向』に入力し、コピーをクリックします。

次に、もう一度移動ツールで3mmを『垂直方向』に入力し、コピーをクリックします。

次は、コピーした4本のラインをすべて白矢印(+)で選択します。

選択したラインを、移動ツールで58mmを『垂直方向』に入力し、コピーをクリックします。

つづけてそのまま連続で「変形の繰り返し」を行います。
(変形の繰り返しのショートカットは command(or ctrl)+「D」です)

《作業工程その6》
次に縦のカットラインを追加します。
ここではセンターのラインを利用します。

縦のセンタートンボを白矢印で選択します。

次に、移動ツールを呼び出し、1.5mmを『水平方向』に入力し、コピーをクリックします。

次に、移動ツールを呼び出し、-3mmを『水平方向』に入力し、コピーをクリックします。

これで完成です。

ガイドラインを非表示にした場合(プリント時のイメージは)、こんな感じになります。

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